「九星気学」の歴史や基本的な考え方について詳しく解説していきます。興味はあるけれど、どこから入ればいいのか分からないという方にもオススメです。
生年月日の影響を九種類の星、九星に分類し、更に干支と五行を組み合わせる占術です。九星は年、月、日、時それぞれに存在していますが、占いによく使われるのは年と月です。
九星気学の発祥は定かではありませんが、古代中国と言われています。天災を始めとする自然の営みを記録し、統計により法則を導き出したのが始まりです。
日本では江戸時代に天海僧正が気学を大衆に広めたと言われています。明治時代には園田真次郎がそれまでの気学を改良してまとめました。これが現代の「九星気学」の源流と言えるでしょう。
九星気学の星には、「本命星」「月命星」「日命星」があります。それぞれ「生まれ年」「生まれ月」「生まれ日」によって決まる星です。「生まれ時」にも九星はありますが、あまり使われません。
占いたい年齢によってどの星を主運として鑑定していくかが変わります。
本命星とは「その人が生まれた年の九星」を指し、20歳以降の人生において強く作用するといわれています。
本命星はその人の「本質」を表し、基本的な性格や運勢を知ることができます。
月命星とは「その人が生まれた月の九星」を指し、0歳から20歳あたりまでの人生において強く作用するといわれています。
月命星はその人の「表面的な特徴」を表し、行動パターンや他人との関わり方を知ることができます。
日命星とは「その人が生まれた日の九星」を指し、0歳から6歳あたりまでの人生において強く作用するといわれています。
日命星とはその人の「隠れた本質」を表し、いざという時に出てくる言動や、目下の人間に対する態度を知ることができます。
一白から九紫までの九星は年、月、日、それぞれで循環していきます。
年の九星は、毎年数が一つずつ減っていきます。
例えば、ある年が九紫だった場合、その翌年は八白、さらに翌年は七赤と減らしていき、一白の翌年はまた九紫になるというように循環していきます。このように数を減らしながら循環していくことを「陰遁(いんとん)」といいます。
また、九星は節気の切り替わる日(節入り日)で切り変わります。年の九星は場合は立春が境となり、立春の前日までは前年の九星となります。
月の九星は年の九星と同様に「陰遁」をしますが、月の九星で使う「月」は節気で切り替わる「節月」です。
日の九星は他の九星とは違った循環をします。
夏から冬にかけては年や月と同様に数字を一つずつ減らしていく「陰遁(いんとん)」ですが、冬から夏にかけては数字を一つずつ増やしていく「陽遁(ようとん)」となります。
冬至に最も近い甲子の日を一白として陽遁を、夏至に最も近い甲子の日を九紫として陰遁を始めるのが一般的な切り替えの日となります。
九星は計算だけでも出せるものですが、実際の占いではわかりやすくするためには「九星盤」を使います。
九星気学の鑑定法のひとつです。月命盤(月命星の盤)の中で本命星がどこにいるかということから、運命を読み解きます。
九星を直接見る占いよりも、秘められた才能や欠点など、より深い内面を見ます。また傾斜法は、物事の時機を見ることに向いています。生まれ年の本命星と現在月の月命盤を比較し、転居や転職、恋愛などの好機を導きます。
九星気学は方位を読むのに向いた占術です。運気が上がる方位を「吉方位」、逆に悪影響を及ぼす方位を「凶方位」と言います。方位盤と本命星・月命星の相性から各方位の吉凶を導き出すことができます。
自身の本命星、月命星に対する相生・比和(そうじょう・ひわ)の九星が運行する方位が吉方位となります。
自身の本命星、月命星に対する相剋(そうこく)の九星が運行する方位が凶方位となります。
相剋(そうこく)の凶方位の他に、さらに強い影響力を持つ「凶殺」という凶方位が存在します。相生・比和(そうじょう・ひわ)の吉方位でも凶殺方位が重なった場合は注意が必要です。
このように吉凶の方位は「相生・比和・相剋」と「凶殺」の影響を複合的に判断して導き出します。
方位盤において五黄土星が位置している方位。万人共通の凶方位。
(※五黄土星中宮の時は五黄殺はありません。)
自身の行動によって緩やかに破滅へ向かう凶殺。
方位盤において五黄土星の反対に位置している方位。万人共通の凶方位。
(※五黄土星中宮の時は暗剣殺はありません。)
他動的に災難に見舞われる凶殺。
年盤において干支の反対に位置している方位。
万人共通の凶方位。その年の物事がまとまらず互いが背き合う凶殺。
月盤において干支の反対に位置している方位。
万人共通の凶方位。その月の物事がまとまらず互いが背き合う凶殺。
方位盤において自身の本命星が位置している方位。
(※本命星が中宮の時は本命殺はありません。)
身体への悪影響を及ぼす凶殺。
方位盤において自身の本命星の反対に位置している方位。
(※本命星が中宮の時は本命的殺はありません。)
精神的に身体への悪影響を及ぼす凶殺。
その年と月の十二支から導き出される方位。
子供の健康に悪影響を及ぼす凶殺。