姓名判断は、その名の通り、「姓」「名」を使う占術です。姓名の画数を元に運勢を占います。
姓名判断の基本は、画数です。画数は、文字を構成する線や点の数です。例えば「山」は3画、「ま」は4画です。
例えば「池」の左側、「さんずい」は漢和辞典などでは3画です。しかし、「さんずい」は元々は「水」をあらわす部首であるため、流派によっては「水」の4画として数える場合があります。しかし現代では占いにおいても3画として数えることが多いようです。当然、3画と4画では結果が変わってきますが、どちらも間違っているわけではありません。
「さんずい」を4画として数えるのは、中国の字典「康煕字典」にならって画数を割り出しているためで、現代でもこれを用いる流派があります。なお、「康煕字典」が姓名判断に用いられるようになった理由については、詳しくわかっていません。おそらく、姓名判断という占術のルーツが古代中国から来ているためでしょう。
また、さんずいだけでなく、旧漢字や異体字・俗字がある字(例:沢と澤、浅と淺など)についても、画数が変わってくるため、どちらを使うかでやはり結果は変わります。どちらの字が正しいというわけではなく、ご自身で普段使っている字を占いに用いると良いでしょう。「齋藤」という苗字の「齋」も、俗字が非常に多いことで知られていますが、こちらも同様です。姓名判断においては日常で使っている字の影響力が強いと言われているからです。
姓名判断では、姓名を「五格」という5つの格に分けて考え、格の数によって運勢を判断します。
生まれつきの天運をあらわします。姓名判断では、その人の資質を伸ばしていくものと考えられており判断材料には用いません。
中年期の運勢をあらわし、その人の内面に影響を与えます。
幼年期の運勢をあらわし、その人の成長過程に強い影響を与えます。
家庭や職場環境など、対外的な要素・対人関係に関わる運勢をあらわします。
一生の運勢をあらわし、中年期以降の社会運に影響を与えます。
◆天格:35(17+18)
◆人格:23(18+5)
◆地格:12(5+7)
◆外格:24(17+7)
◆総格:47(17+18+5+7)
姓と名の文字数が異なる場合は、多い文字数から少ない文字数を引いた「仮成数」を用います。たとえば「長谷川 葵」さんの場合、3字の姓・1字の名なので、3-1=2で仮成数2を文字数の少ない「名」に加えて占います。
姓名判断には多くの流派が存在し、仮成数を用いるかどうかも流派によって異なります。
姓名の格数は、運勢を表す重要なものであり、天格・人格・地格・外格・総格の五格で構成されます。
「姓の画数」の合計。晩年になるほど影響力が大きくなる格。天格だけで運勢の善し悪しの判断はしません。
一般的に女性は結婚後、配偶者の姓を名乗ることが多く、天格が変わるため、人格、外格、総格も変化することになります。
「姓の末字の画数」「名の初字の画数」の合計。姓と名、両方の画数で鑑定するため、五格の中でも重要な意味を持ちます。その人の人となりや、仕事、家庭や結婚運、中年以降の運勢に影響を与えます。
本来的には性格を表す格ですが、人間関係においては性格や人となりが重要であるため、仕事や結婚においてもこの格を用いて鑑定することが多いです。
「名の画数」の合計。若年期の運勢や、幼少時の性格形成に影響を与えます。才能や天職など先天的なものをあらわす運勢に影響があると考えられています。
人格が人となりや性格など内側をあらわす格なのに対して、地格は周囲からの印象など外側を表す格といえます。
「姓の初字の画数」「名の末字の画数」の合計。本人の内面的要素ではなく、周囲が本人にあたえる影響をあらわす格です。職場、学校、家庭などにおける対人関係に影響をします。
「姓の画数」「名の画数」の合計。その人の人生全体の運勢をあらわします。生きていく時間が長くなるほど運勢に濃く影響が出るとされているため、中年期以降の運勢に大きく影響を与えます。
姓名判断はあらゆる場面で人生の指針になる占いですが、特にお子さんの名づけの際に強く意識される方が多いでしょう。
生年月日や血液型と違い、唯一、親がお子さんの幸せを願える占術です。複数の名前の候補で迷った時には、姓名判断での吉凶を見る親御さんも少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
子どもの名づけの際は、総格はもちろんですが特に若年期、中年期に影響を大きく与える地格、人格の吉凶を意識して名づけをすると良いとされています。